●しつけの基本は「無視」
一般的に犬のしつけ本などでは、飼い犬が無駄吠えをしても無視をすること、といわれています。
犬は「散歩に連れて行って欲しい」とか「遊んで欲しい」などの自分の要求を通すために吠えますが、飼い主が要求を聞いてやると「吠えれば要求が通る」ことを覚えてしまうため、徹底的に無視して「吠えても無駄」ということを覚えさせなければならない、というのがしつけの一般的な常識です。
●犬の寝場所
Rが読んだ犬のしつけの本では「ケージで寝かせること」と書いてありましたので、Rはミニチュアダックスの「はな」を迎え入れた日からそれにならって同じ部屋のケージ内に寝かせていました。
ある日、疲れていたRは「はな」をケージに入れないまま寝てしてしまい、夜中に目が覚めてみると「はな」はRの布団の上で寝ていました。
翌日、「はな」の寝場所をケージに戻そうと、Rは寝る前にケージの中に「はな」を入れましたが、一度飼い主のそばで眠ったことに心地よさを覚えたせいか、ここから出せと言わんばかりに激しく吠え始めました。
Rはしつけ本にならって徹底的に無視することに決めました。
ところが……。
Rが何時間無視しようがお構いなしに「はな」は吠え続けました。
「はな」は当時4ヶ月ほどの子犬でしたが、Rは布団を頭からかぶらないと堪えられないほど大きい声で吠え続けるのです。
「いずれ疲れて寝てしまうだろう」と思っていたRでしたが、「はな」は吠えるのに疲れるとケージにセットしたボトルの水を飲み、再び吠え始めるという動作をRが床に就いた0時から朝の4時まで延々と繰り返しました。
あまりにも「はな」が吠え続けるのでRは全く眠ることができず、Rの家族も目を覚まして様子を見に来るほどでした。
結局、Rは眠ることができない苦痛に耐え切れないのに加え、近所迷惑を考えて「はな」をケージから出しました。
Rは、あきらめることを知らない「はな」にしつけの一般常識が通じないことをそのときに悟りました。